平成26年度 第1回相談会&体験報告者

上益城山都町出口 信武さん

就農年
2010年7月1日
主な作目等
ピーマン、子供ピーマン(露地野菜)/里芋(露地野菜)/他(露地野菜)
農業従事者
本人・妻

幼少期から自然と触れ合うことが好きで、生物に興味があった。大学卒業後、飲食業、食品メーカー、食品商社での仕事を通して食への関心がより高まる。結婚後、妻の実家での稲作の手伝いを通じて、作物の栽培の楽しさを実感し自ら農業をしようと決心。

出口 信武さんの写真

研修の状況

2011年7月より熊本県有機農業研究会を通じて、山都町の有機農業者原田幸二氏のもとで一年間研修を受け、ピーマン、こどもピーマン、レタス、里芋、にんじんなど多種多様な作物の露地栽培について教えていただく。熊本への移住前、妻の実家で米作りを体験していたが、野菜類については全く経験がなかったため充実した一年となった。

就農への取り組み

・農地は原田氏の紹介で、一か所で60aほどまとまっている農地をすぐに手配できた。

・その後、農地周辺で声をかけたところ、さらに30a借りることができた。

・栽培計画は、初年度から失敗はできないので、研修で学んだ作物の中からピーマン、こどもピーマン、里芋を主要作物に決めた。

・作付けは、作付け時期がまだ研修中であったため、原田氏の協力を得ながら進めた。

・トラクターは初年度は原田氏に借していただいた。本年は農地のある集落の共同のものを使用。本年中に購入予定。

・2012年7月、研修が明け、妻と二人で独立就農。

経営の特徴

・無農薬、無化学肥料にて栽培。(来年有機JAS申請予定)

・出荷先は加入している2つの生産者団体が主であるが、その他JAや市場などにもときどき出荷。

・インターネットやクチコミなどでの個人販売も視野にいれているが、そこまで手がまわっていないのが現状。

農業への思い

「農業は楽しい。」自然の中で季節の移ろいを感じながら汗を流すこと。虫や草と格闘しつつ作物の成長を見守ること。そして手塩にかけた作物たちが収穫できたときの喜び。また、一日のスケジューリングや栽培方法についてはすべて自分流でよく、とても自由。ときには自然相手に人間の無力さを感じたり、自由だからこそ自分を律していかなければならない大変さもあるが、やはり農業が好きだし、自分に一番合っている仕事だと思っている。

就業して苦労したこと

前述したように農業は楽しいという思いは変わりないのだが、この一年間経営をしてきて、農業には本当にお金が必要であることを身にしみて感じている。「農業は楽しい。(十分な資金があればもっと楽しくなるかな)」と正直思う。これから、どのような農業スタイルで生計を立てていくのかが大きな課題である。

新規就農を目指す人へのアドバイス

きっかけは何であれ、農業をやると決めたからには覚悟が必要。中途半端な気持ちでは、農業はできないだろうと思う。その通りにはいかないが、しっかり計画を立てると行動しやすいと思う。